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空と海と私と

2.高機能広汎性発達障害に必要な生活支援

「高機能広汎性発達障害に必要な生活支援」ーわかってほしい私たちのことー 2005.12.3

「変光星」や「平行線」の作者であり、高機能自閉症者の森口奈緒美さんの講演メモです。

実際に見た森口さんは、とてもかわいらしい人でした。
帽子と手袋、本当はマスクとサングラスもしたいんだけど
あやしいと思われるのでやめているそうです。

話し方はゆっくりで、なぜか外人が流暢に日本語を話すような感じを受けましたね。

講演で森口さんは、どんな生活支援が必要かということをお話下さいました。

「言葉の不自由さについて」

考えるスピードが非常に遅く、聞いた話をすぐに理解できない
自分の考えをすぐにまとめることができない。
質問にすぐに答えるべき言葉が頭の中に出てこない。
適切な返事ができない。いい間違える、不適切な発言
結果として事実と違うことを言ってしまう。

対策としてあらかじめ質問を事前に書いてもらい、考える時間を与えて欲しい。
その場で答えることを求めない。
事前に理解しやすい方法で示す。(森口さんの場合は文書)

※この講演時もフリーの質問、録音、カメラのビデオは禁止でした。質疑応答も事前に用意したものに回答いただく形でした。

裁判などの場合、上記のような支援がなお必要となる(尋問など)
司法の関係者は、このような社会性・言語性に不自由な人の便宜をはかる必要がある。また、そのような法律の整備が必要である。

このような障害があるため近隣関係でのトラブル・ストーカー被害・学校でのいじめ・悪徳商法や詐欺被害でのトラブルが起きた場合、自分一人では解決できない。
そのため自閉症のことを良く理解し信頼でき、相談できる世話人のような人が必要。名づければ「自閉症者生活支援コーディネーター」


森口さんが必要と思う(してほしい)支援について

「経済的支援」
出来ないことが多くなれば、必要な支援も増えてくる。そのような支援をお金で買うこともできる。
確定申告のフォロー。
混雑が非常に苦手なのでタクシーが割引になれば良い。

「生活支援」
親なき後の一連の手続きの支援。死亡届、診断書、銀行手続きなど資格を持った人が同行支援してくれる制度。
 
管理組合・自治会など地域での当番が回ってきたときサポートが欲しい

ゴミの集積。睡眠障害のため、定刻にゴミだしするのが非常に困難。
某所では行政が障害者の住んでいるところやってきて、ゴミを回収してくれるサービスがある。

平衡感覚が鈍いので高いところの電球などが取り替えられない。
ガスレンジの調節。

買い物時、店内のBGMが邪魔になり商品を選べない。
レジでわたされる釣銭を財布に入れられない。
買った商品を袋に詰められない→レジの人がこの障害を理解してくれるだけでも助かる

外出・通院など移動や旅行時の支援
他の乗客に絡まれたとき助けて欲しい

病気になったとき自分の症状が言えない。

老後・親の介護の問題


「過敏体質」

音に対して非常に過敏
住宅の設計について 近隣の工事の音、階上の足音など外部の音を社団できる家が欲しい。

近隣で工事が始まった場合、非難できる場所が欲しい。

入院時も同室者の話し声・TV音が苦痛なので一人部屋が良い

電話、チャイム、洗濯機、電子レンジの音(ブザーなど)が苦手。携帯の着メロのように自分で他の音に変えられるようにして欲しい。

支援以前にバリアをなくして欲しい。心のバリア。「理解」という支援。
ただ「理解」してくれることが支援になる場合もある。
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同じ高機能自閉症者で作家の藤家寛子さんも著書の中で、高機能自閉症と告白したら「そうなの。私にはわからないけど大変だったのね」と言って欲しいと書いてありました。「大丈夫よ。がんばって」などと言われると、「自分はまだがんばってないから、もっとがんばらなければいけない」と思ってしまうらしいです。そして、もっとがんばるって、どこまでかわからなくなり、結果的にダウンしたり、身体が機能しなくなるようです。

裁判や犯罪被害・悪徳商法は深刻な問題だ。
確かに知的に問題ないから、自己責任と言われそうだ。
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